眼精疲労がスッキリして肩こりまで取れると
患者の間で喜びの声が続々のルテイン

誠快医院院長 慶島田思史かしまだただし

21人中19人に効果があった

私がルテインという目に必要な成分の入った栄養補助食品を知ったのは、今年の三月のことです。その食品は、マリーゴールドの花から抽出したルテインやゼアキサンテン(ルテインといっしょに存在する成分)、ビタミンEが主な成分で、説明書きには、「目の健康維持と栄養補給に役立つ」と書かれてありました。まずは、自分で飲んでみることにしました。私自身、眼精疲労で悩まされていたからです。今年私は五十一歳になりますが、老眼が進んだ四十代半ばから疲れ目がひどくなり、毎日、診察が終わる夕方ごろには、目がショボショボして、開けていられなくなるのです。「疲れ目に効くかもしれない」とルテイン食品を朝食後と夕食後に一粒ずつ、毎日飲んでみると、効果はてきめんでした。飲み始めて二~三日めに、疲れ目がらくになったのがハッキリ実感できたのです。以前の目の疲れの状態を十とすると、一ぐらいしか目の疲れを感じません。こんなに早く効くなんて、と驚きました。これまでも栄養補助食品はいくつか試してきましたが、普通、早いものでも効果が現れるまで二週間ほどかかるからです。以来、目の疲れや痛みに困っている患者さんに、ルテイン食品をすすめてきました。一日二粒ずつ、私と同様にしばらく飲んでもらって感想を聞くと、二一人中一九人が「効果があった」と答え、二人は「とくに効果を感じなかった」ということでした。効果があった人で最も劇的なケースは、十年前から原因不明の目の痛みに悩んでいたTさんです。目の痛みとともに視力も低下し、手術を受けて視力は改善しましたが、目の痛みはまったくよくなりませんでした。ところが、Tさんがルテイン食品を飲み始めると、わずか二週間ほどで目の痛みをほとんど感じなくなったといいます。また、目が疲れるとまばたきの回数がとても多くなるというKさんも、ルテイン食品を飲んだ翌日にはまばたきが気にならなくなったそうです。本人も「だまされたみたい。本当にあれが効いたのか」と、信じられない様子でした。このほか、かすみ目が改善したという人が一名いましたし、眼精疲労に伴う肩こりがスッキリした人が五人いました。

目のサビ止めの役目をするルテイン

ルテインがどのようなしくみで眼精疲労に作用するかは、研究の進んだ米国ではすでに明らかにされています。ルテインは、もともと目の網膜(カメラのフィルムにあたる部位)や水晶体(カメラのレンズにあたる部位)に存在しています。そして、目の中の活性酸素(生体内で有毒物質を作る酸化反応を起こしやすい酸素)を消去する抗酸化物質として働いています。目に光が入ると、光によって目の中で活性酸素が発生し酸化反応が起きますが、ルテインはいわばサビ止めの役目をして、自分が酸化されてこわれてしまうかわりに、まわりの酸化を食い止めます。酸化による目の網膜や水晶体のダメージを防ぐため、眼精疲労や白内障などの予防・改善に役立つのです。また、これは私の推測ですが、網膜にルテインが十分にあると、網膜の光に対する感度が上がるのではないかと考えられます。光に対する感度がよくなると、光が少なくても水晶体をあまり調節せずに物を見ることができます。明るい場所ではカメラの絞りを絞ったままでも写真が撮れるのと同じで、水晶体は絞りを開かなくてもよいので、毛様体筋などの水晶体を調節する筋肉への負担がへり、その結果、目の疲れが軽減されるのでしょう。ルテインは体内でつくることができないので、外から補給することが大切です。栄養補助食品に抵抗のある人には、ホウレンソウがおすすめです。ホウレンソウは100g中に10.2mgと、ルテインが多く含まれています。ブロッコリーや茅キャベツなどにも含まれていますが、その量はホウレンソウにおよびません。米国の研究によると、ルテインの推奨量(効果が期待できる摂取量)は一日に6mgとされています。これはホウレンソウ60g(三分の一束)中の含有量に相当します。ちなみにルテインは脂溶性なので、野菜でとる場合は妙め物や肉といっしょの料理など、油を使った調理法で食べると、吸収率が高まります。

主な野菜100g中のルテイン含有量
単位:マイクログラム(1000分の1ミリグラム〕

ホウレンソウ=10200
ブロッコリー=1900
リーフレタス=1800
芽キャベツ=1300
夏カポチヤ=1200
スイートコーン=780
グリンピース=740
ニンジン=260
キャベツ=150
冬カボチャ=38 

                  出典:「安心」平成11年10月号204~205頁

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